27巻 研究室紹介 京都工芸繊維大学大学院鋤柄研究室

【研究室紹介】

京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科
先端ファイブロ科学専攻複合機能科学講座 鋤柄 研究室
鋤柄佐千子

1.はじめに

京都工芸繊維大学は、明治期に創設された前身校の時代から科学と芸術の2つの分野を併せ持つユニークな大学です。松ヶ崎キャンパスは、京都・洛北の美しい緑に囲まれ、すぐそばには高野川の水も流れる閑静な環境にあり、私は、平成18年4月にこちらへ赴任しました。所属する先端ファイブロ科学専攻は、大学院だけの独立専攻で博士前期課程、後期課程の学生の研究教育にあたります。したがって、学内の学部から進学する学生、他大学からの進学者に加え留学生も多いのが特徴です。私の研究室では、本年度から修士1年4名、社会人博士1年1名の合計5名の大学院生とともにテキスタイルサイエンスを基盤にした研究に日々励んでいます。

2.研究の概要

本研究室で扱う素材は、不織布、糸、布、化粧用パフ、毛皮などの繊維製品から、化粧用スポンジやシートなど様々ですが、共通するのはひとが触れて素材感を感じる材料だということです。素材が肌に触れたときに感じる肌触りは、製品の使い心地に影響を与える重要な特性のひとつです。そこで、用途にあわせた条件で物性値を測定することで特徴を明らかにし、人による素材の官能評価情報を考慮しながら最終製品の性能を予測する手法を導きだすことを目指しています。また、医療用の用途が今後期待される天然物を用いたナノファイバー不織布の作製にも取り組んでいます。

現在の研究テーマ ①天然物質を用いたナノファイバー不織布の作製と評価 ②糸の構造特性が布の風合いに及ぼす影響 ③ケラチン様物質をコーティングしたフィルムの物性評価 ④布の”しっとり感”の解析 ⑤綿布の加工処理と表面物性

3.おわりに

複合機能科学講座は、高分子ナノファイバーの作製と構造や物性評価を研究課題としている小滝准教授、電子線や超臨界二酸化炭素を用いた繊維加工を専門とする奥林准教授と私の3人で、繊維から布にかかわる研究を協力しながら行っています。人間の生理機能に詳しい衛生学部会の方々で、私たちの研究に興味のある方はどうぞ研究室へおこし下さい。テキスタイルサイエンス分野の研究者減少が懸念されるなか、被服学領域の研究に携わる若い研究者がひとりでも増えてくれることを望んで、教育•研究に取り組んでいます。

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