25巻 研究室紹介-㈱カネボウ化粧品・化粧品研究所

【25巻 研究室紹介】

 

研究所紹介

 

㈱カネボウ化粧品・化粧品研究所 村上 泉子

 

 化粧水や乳液、口紅などの化粧品を生産している小田原工場と同一敷地内に、私が喜怒哀楽の毎日を過ごしている研究所があります。化粧品づくりに必要なのは「水」。富士山、丹沢山系を水源とする酒匂川のほとりにあり、その地下水は清らかで理想的な水質を誇っています。そんな豊な自然環境に囲まれた研究所で行われている研究内容を簡単にご紹介したいと思います。

 

 スキンケア製剤開発研究分野では、最先端の技術を生かして、高機能な製剤の開発をしています。肌の表面を覆っている角層に含まれている脂質成分は「液晶」という構造を作り、これが肌の水分を逃さない役割を果たしています。皮膚が本来持っているこの液晶構造を応用し、保湿効果に優れた乳液やクリームを開発しております。

 

 また、香りの研究分野では、調香師の研ぎ澄まされた感性や経験技術に基づき魅力ある香りを創っています。さらに様々な角度から香りの働きに関する研究を行っており、香りを嗅ぐことによって得られるリフレッシュ感やリラックス感、ストレス緩和などの効果に関する研究はもちろんのこと、最近では香りの機能性に関する研究に力を入れております。細胞に香り成分を添加すると、メラニンの生成が抑制するものがあり、香り成分の肌に対する直接的な効果を明らかにすることにより商品化に役立てております。

 

 皮膚科学研究分野では、肌を多角的な視点から見つめ直す基礎研究を行っており「美肌」「美白」「アンチエイジング」を三大テーマとした化粧品の新しい付加価値の創造を目指し、いまだ謎の多い皮膚の働きを探ると共に、皮膚に働きかける成分を探索・評価しています。若い方とお年寄りの方の皮膚細胞を使って、老化によって具体的に皮膚のど 研究所んな機能が衰えていくのか、またそれらの機能はどうして衰えていくのかといったことを探りアンチエイジング化粧品の開発に役立てています。ここ最近の主なテーマは、メラニン制御メカニズム、コラーゲン・ヒアルロン酸の”量”と”質”に関するもの、皮膚細胞の遺伝子応答などが挙げられます。

 

 最後に私が属している有用性評価研究分野ですが、皮膚生理研究や新しい評価手法の開発を含めて化粧品の効能効果に関する評価研究を行っております。また、専門パネルと呼ばれるヒトの感覚を利用して製品の物性を評価し使い心地の評価も行っております。機器測定による評価と官能評価によるトータルな評価研究によって新製品の開発に役立てています。

 

 以上、たいへん雑駁な紹介になってしまいました。東海道新幹線にお乗りの際は、小田原駅の少し東京よりの窓の外を御覧下さい。のんびりとした雰囲気の工場と研究所が見えるはずです。

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