25巻 特集-部会創立30周年1

【26巻 特 集】

 

被服衛生学部会創立30周年を記念して
「Cool Biz」

 

名誉会員 実践女子大学・実践女子短期大学 学長 飯塚 幸子

 

 30周年記念号への寄稿を大変光栄に存じます。発足以来の想い出が頭の中を巡ります。今日まで部会発展にお力を尽くされた歴代部会長ならびに会員の皆様に心から感謝致します。私は研究室から遠ざかって久しくなりましたので、お役に立つ情報をお伝え出来ませんが、思いつくままに雑感を述べさせていただきます。

 

 今日、深刻な問題となっている地球温暖化の解決のために、京都議定書が2月16日に発効しました。世界に約束した日本の目標は、温室効果ガス排出量6%の削減です。1990年から2003年までに産業から出るCO排出量は0.3%増、特に事務所や家庭からでるCO排出量は31.4%も増加していると報ぜられています。温暖化によって生ずる様々な影響を防ぐために、また安心して暮らせる地球環境を次世代に引き渡すためにも、私たちが日常の生活の中で地球温暖化を防止する省エネ型の生活を心掛けることの自覚が求められています。

 

 その一つとして、温室効果ガス削減のために夏のエアコンの温度設定を28℃にということで、環境省では夏のノーネクタイ、ノー上着ファッションを提唱しました。その名称を公募して決定したのが「Cool Biz」です。新しいビジネススタイルを普及しようというものです。

 

 労働安全衛生法の関連規則は、事務室の気温を17~28℃に定めています。省エネ効果を上げるために国はこの上限温度を決めました。小泉首相は4月に「Cool Biz」の着想を宣言し、小池環境省はデザイナーにデザインを依頼し、愛知万博の会場でファッションショーが開かれました。「ネクタイと上着を脱げば、体感温度で2℃の差が出る、という研究結果に基づき「クールビズ」をお薦めします。」というキャッチフレーズです。

 

 室温28℃の時の軽装着用(パンツ・ランニング、半袖ワイシャツ、ベルト、ズボン、靴下、靴)室温26℃の時のスーツ着用(軽装+ネクタイ+夏用背広上着)、において、温熱感申告がほぼ同じであった(省エネルギーセンター発表のデータ)、と示されています。また、クールビズの着こなしについて、ネクタイと上着がなくてもきちんと見えるようにとの配慮から、その襟元デザインのさまざまな工夫と、暑さでボタンを開けたときのアンダーウェアが見えないように等の配慮、ノー上着のために目立つベルトのおしゃれ、靴との配色案までが細かく提案されています。

 

 さて、被服衛生学の分野こそ、主導権を発揮するべきテーマと思います。働く人達のおかれている環境条件と着衣、性差、年齢差等、作業量と代謝との関係、着衣の素材、吸湿、通気性等のデータ、着心地、も考慮した健康的な提案が出来るのではないかと思います。被服の最終目標は、人間が着用し生活した時の生理的、心理的、快適であります。被服衛生学の社会的アピールの更なる必要を感じました。若い研究者達の社会貢献と、一層の研究・発展を期待しています。

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