22巻 特集-賛助会員の声1

【22巻,賛助会員の声】

 

『衣服圧測定器の経緯と利用について』

 

㈱エイエムアイ・テクノ 小南幸哉

 

 エアパック式衣服圧計を11年前に製品化、現在まで被服学を中心に150件の各研究分野でご利用していただいております。特に被服衛生学の方々には、製品化のきっかけと開発当初から多くのアドバイスを頂き感謝しております。現在は製品名も接触圧計とし、医療・看護・福祉などの研究分野に広がりつつ幅広く活用して頂いております。また、校正された値での計測法として1999年アメリカ、2000年ヨーロッパ、2002年日本と国際特許も取得いたしました。新分野に紹介しておりますとシンプルな測定法と校正法であるため、権利取得に驚かれることがよくあります。最近では、開発初期のころ納入した被服学研究室に当時学生や留学生だった方たちからも、購入や問合せを頂いております。
このような経緯の衣服圧計を今後とも多いに活用して頂き、被服衛生学の躍進に少しでもお役立てばと思っております。

 

 ところで先日、営業活動において次のようなことがありました。
 飛行機など長時間狭い座席を利用する乗り物で、下肢深部静脈に血栓ができ突然立ち上った時、その血栓が体内に周って血管閉塞を起こすエコノミー症候群を耳にしますが、その予防に弾力ストッキングが効果的であることを知りました。弾力ストッキング(国内と海外)の製品開発・企画に関る方から連日の問い合わせ受け、拘束圧測定について相談を受けました。ストッキングカタログをその圧力値が記載されている仕様欄から選択する際に、拘束値がどの部位であるか、つまり、前後側面の周囲位置が提示されておらず、また、その数値の基礎的な測定方法が、血圧計のカフのような用具を使用した、カフ内圧の数値で行っているとのことです。したがって、実際の着圧によるサポート部位と数値がうまく伝わらなく、弊社に実際の着圧測定で確認しようとのことで問合せをいただきました。測定してみたら、下肢や踝の前面・後面・側面では値が大きく異なることが分かり戸惑っていました。実際着用して繊維張力を利用して拘束するのと、帯状の袋にエアを封じ込め加圧するカフとでは、周囲の極率や縦方向の繊維張力などが複雑に作用し、且つ姿勢によりかなりいろんな要素が加わった値となることが予想されます。また、効果的な圧迫と思われた値が、姿勢次第では異常な圧迫に変わったり、効果なかったりする可能性も考えられます。たぶんカタログの値は立位で行われた値と思いますが、座位で使用した時とは異なる拘束圧となることは充分考えられます。したがって、実際の着用測定で違いを掌握し、選択の指導を行う必要があると思います。

 

 また、福祉・看護・リハビリなどにおいて、寝具・車椅子など利用時の体圧に関する問題で、体圧緩和や部位のせん断力を検討するにあたり、あまり考慮されずにいた寝具・椅子表面を覆っている被覆材・敷いているシーツ材、被験者が着用している被服など、それぞれの沈み込み時の接触摩擦・伸縮性などの繊維特性が、緩和や部位に与える影響があることを考慮するべくことであり、繊維を理解している被服衛生学の知識が、住み良い高齢化福祉社会に導いてくれることを期待しております。

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