第31号 総説 

高温環境と睡眠

 

水野一枝

東北福祉大学感性福祉研究所

 

 

1.はじめに

 高温多湿な夏に不眠を経験するように、温熱環境が睡眠に及ぼす影響は大きい。不眠や睡眠不足は、日中活動に影響を及ぼすだけでなく、生活習慣病(内村他, 2006)、事故や肥満(Hasler et al., 2004)などの様々な健康被害とも関連がある。健康被害だけでなく、熱帯夜による睡眠障害に伴う経済損失の評価もされており、作業効率の低下や眠気を原因とする欠勤や遅刻、早退をあわせた労働生産損失額は、年間70億9000万円に上がると推定されている(伊原他, 2007)。温熱環境の重要性は、劣悪であれば睡眠に問題のない人でも睡眠が妨げられることである。裸体で寝具を用いない条件では、低温環境の及ぼす影響が高温環境よりも大きい(Haskell et al., 1981)。しかし、寝具を用いた日常生活により近い条件では、高温環境が低温環境よりも睡眠を妨げることが成人(水野, 2009)や高齢者(Okamoto-Mizuno and Tsuzuki, 2010)で確認されている。そこで、本稿では高温環境が睡眠に及ぼす影響に着目し、体温調節、高齢者に及ぼす影響について紹介する。

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